居抜き物件の基礎から選び方までを丁寧に解説
ホーム > 水漏れや給排気など居抜き物件を契約する前のチェックポイントは?

水漏れや給排気など居抜き物件を契約する前のチェックポイントは?

開業コストを抑えられるからと居抜き物件を契約してみたら、
「床下から水が漏れて補償問題になった」
「電気機器を同時に使用するとすぐにブレーカーが落ちる」
といった問題が発生して、頭を悩ませることがあります。

こういった問題を解決するために、居抜きで浮いた費用を超える出費を強いられるケースもあります。

一方で、居抜き物件を活用して成功した事例の中には、解体するしかないような古い建物でもトラブルを回避して高い売り上げを出している店舗もあります。

居抜き物件を探す際は、どうすれば、トラブルを避けることができるのでしょうか?

次の項目を参考に、物件の良し悪しを見きわめてください。

居抜き物件を契約する前のチェックポイントは?

水漏れは最重要ポイント

物件を判断する際、最も大切なポイントが水漏れです。天井からと床からの両方の水漏れを調べましょう。

天井裏を見せてもらうために、内覧の際には脚立や懐中電灯を用意しておくことをおすすめします。内装業者が同行するのであれば、用意してもらえるか尋ねてみましょう。

天井裏の水漏れは上層階からのものに加え、外壁のひび割れなどから雨水が侵入してきていることもあります。外壁の内側にもシミができていないかを確認します。

下層階に店舗や住居がある場合、床下の水漏れは確認できないことが多いです。その場合も、最低限、外壁にシミができていないかは確認しておきましょう。洗面所やトイレからの水漏れの確認も必要ですが、最も大切なのは厨房からの水漏れです。

水漏れとあわせて排水についても確認しておきましょう。すでに閉店している物件であれば、一度流し台に水を貯め、一気に水を流してみましょう。その時に流れが悪いのであれば、排水設備に問題があるか、排水管が詰まっていることが考えられます。

排水管が詰まっているのであれば、高圧洗浄機で汚れを落とすことはできますが、もともと配水管が細かったり、曲がっていて詰まりやすくなっている場合は床をはつって補修や配管工事をしなければなりません。

水漏れは原因をつきとめるのが難しく、トラブルが起これば工事や補償などで高い出費は避けられません。水の流れが悪い物件も慎重な判断が必要です。

排気と給気による店の内外への影響を確認する

水漏れに次いで、問題となりやすいのは排気です。

店内の排気ができていなければ、調理の匂いや煙が客席に充満し、お客さまに不快感を与えます。強いにおいや煙が出れば、近隣から苦情が来ることも考えられます。

においの出やすい食品を扱うのであれば、ダクトが屋上まで上がっており、モーターで効率よく排気できるようになっている物件が理想です。追加で工事をするのであれば、いくらかかるのかを内装業者に調べてもらいましょう。

たとえ屋上まで排気ダクトを上げたとしても、モーターの音が騒音となることも考えられます。これまでの店と違いがある場合や、住宅が密集した地域では、においや騒音について入念に確認しましょう。

また、居心地のよい店を作るためには給気のチェックも欠かせません。

営業中の店舗であれば、ドアを開けた時に重い、すき間風の音がするといった点を、閉店した店舗であれば、店内にトイレのにおいがこもっていないかを確認しましょう。

給気が十分でなければ、ドアを開けた時に外気が流れ込んでエアコンの効きが悪くなったり、排気の流れができづらいので、においや煙が店内に停滞するという問題が起こります。

電気・ガスの容量はカバーできるか

これまで営業していた店とは違う業種や業態で開業する場合、電気やガスの容量が足りなくなる可能性があります。

これについては厨房機器の業者に、設置予定の設備に必要な容量を教えてもらうのが最善の方法です。造作を譲り受ける場合も、厨房機器のチェックをしてもらえるように、事前に打ち合わせておきましょう。

ガスの容量を増やすには、プロパンガスを設置するという方法があります。設置費用をガス会社が負担してくれる場合もあり、ガスの使用量が多い店舗であればコスト削減につながる可能性があります。

一方で、電気の容量を増やすには工事が必要になるか、他物件との兼ね合いで増やすことができない場合もあります。その場合はガスで代用を検討するか、その物件をあきらめる覚悟も必要です。

デザインを重視した物件や分譲マンションは自由度が低い

デザインに統一性を持たせ、計画的に開発された地域や、分譲マンションの一角に店舗がある場合、共有スペースである外観は変更することが難しい、あるいはできない場合があります。

改装や看板を出す際、大家さんや住民の同意が必要となるなど、手間がかかる物件もあります。

お店のコンセプトが周囲の環境とマッチしているか、規約に従うことで集客力は低下しないかなどを検討することが必要です。

大切にしたい第一印象

素人が物件の良し悪しを見抜くことは簡単ではないので、内覧する際は、内装業者や厨房機器を扱う業者の同行を強くおすすめします。しかし、業者が同行しても、内見だけでは確認できない箇所もあります。

そこで大切にしたいのは、最初に物件に足を踏み入れた時のにおいや空気の流れ、清掃の状態などに対する第一印象です。

居抜き物件で起こる多くのトラブルは、設備への投資を必要以上に削減したことや、扱いが雑であったこと、清掃を怠ったことが原因となっています。本来必要な太さの配管を細いものにして費用を抑えたり、配管の長さが足りない部分を無理やり補っている物件では、水漏れや漏電が起こりやすくなります。

グリストラップや換気ダクトを長期間掃除していなかったり、厨房内が清潔に保たれていなければ、どこかに汚れがたまって配管が詰まったり、害虫が発生したりします。

そのため、たとえ水漏れの箇所や漏電の発生場所が見抜けなかったとしても、「なんだかカビ臭い」 「ゴミが残っている」「水回りが汚い」といったそれまでの使用状況から、何かしらの兆候を感じられることがあります。

最後に、前オーナーとの造作譲渡で、トラブルが起きないようにするための方法を説明します。

造作譲渡で起こりやすいトラブルを回避する

造作を譲り受けることになった場合は、譲渡対象のものについて1点ずつリストを作成しましょう。

造作譲渡におけるトラブルで多いのは、
・使用できると聞いていた機器が壊れて使えなかった
・内見時にあったものがなくなっていた
・譲渡された機器にリース品があった
といったものです。

こういったトラブルを避けるには、実際に店舗にある設備や機器を1点ずつチェックし、
・リース品ではないか
・故障していないか
・取扱説明書があるか
・保証期間内であれば保証書はあるか
・業者の連絡先はどこか
・前オーナーが持っていくのか
・そのままの状態で残していくのか
・新オーナーが必要でないものは誰が処分するのか
といったことを確認していきましょう。

双方の責任者が立ち会い、作成したリストに不備がないかその場で確認します。

リース品はそのまま引き継ぐケースもありますが、譲渡料を支払った上に中古品のリース代まで引き継ぐのはおすすめしません。前オーナーに確実に解約しておいてもらいましょう。

不動産や内装業者など、専門家の意見は重要です。しかし、それだけに頼るのではなく、自分が「なんとなく気になる」と感じたこともおざなりにしないで下さい。契約後にトラブルが起これば、責任を負うのはオーナーであるあなたなのです。

▲ページトップに戻る