居抜き物件の基礎から選び方までを丁寧に解説
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街で見かける「貸店舗」や「譲ります」に価値はある?

初めて開業する人向けの指南書には、出店を希望する地域を歩いて回り、「空き物件」や「譲ります」と表示している物件情報の収集をすすめているものがあります。

不動産会社や仲介業者に情報がもたらされる前の、「居抜きになったばかり」の店舗が見つけられるかもしれないから、という理由です。

しかし、店舗物件のなかでも、特に居抜き物件を探す際、この方法はおすすめできません。

街で見かける「貸店舗」や「譲ります」に価値はある?

ここでは、居抜き物件の情報を「歩いて探す」方法がなぜおすすめできないのかを説明します。

「貸店舗」「譲ります」は最終段階

居抜き物件は、何らかの理由で前の店舗が閉店することになったため、内装や設備の譲渡先を探している状態です。

もし、元の店舗が高い売り上げを出している「好物件」であれば、店主が閉店を決めた段階で、親しい人や知人の中で譲渡を希望する人が現れます。

たとえ居抜きの専門業者や不動産屋に仲介を依頼したとしても、良い物件が出るのを待っていた顧客に優先的に情報は伝えられます。

外に向けたドアや窓に大きく「募集」と表示している物件は、これまでの手段では希望者が現れなかった物件で、募集は最終段階にあると考えるべきです。集客には何らかの障害がある立地だと考えた方がよいでしょう。

また、店舗物件の賃貸契約では、解約時にはスケルトンという、内装も設備も全て撤去した状態に戻すのが一般的です。

賃貸の契約期間が終了するまでに次の譲渡先を見つけられなければ、次に入店を希望する人に柔軟に対応できるよう、貸主はスケルトンに戻すことを要求します。

まだ営業中に次の譲渡先の募集を出している場合は別として、すでに閉店しているにもかかわらず、居抜きで譲渡先を募集しているような物件は、貸主さえもその物件から収益を上げることをあきらめている可能性があります。

一方で、こういった物件はうまく交渉すれば家賃などを格安で契約できる場合もあるので、確実に集客が見込める根拠があるならば、工夫次第で利益を上げることも不可能ではありません。

ただ、テレビでビフォーアフターを特集されるような話題性のある居抜き物件は、オーナーの経験や実績、改装時のアイデアや技術力など、何かしら突出した要素を持っていることがほとんどです。

きちんとした根拠がないのであれば、「街で見かけた空き物件」へのチャレンジはおすすめしません。

直接交渉は安くつくが、その分リスクは高くなる

また、物件を自分で見つけて直接交渉すれば、仲介手数料を省くことができるとすすめている指南書もあります。資金の問題でスケルトンをあきらめて居抜きを選んだなら、仲介料すら惜しい気持ちになるのかもしれません。

しかし、居抜きは物件ごとの個性が強く、よほど慣れている人でなければ、トラブルなく契約を完了させるのは困難です。

造作譲渡や貸主との賃貸契約など、細かい相談にも対応してもらえることを考えると、きちんとした仲介者がいる方が交渉はスムーズに進みます。直接交渉はトラブルの面でも、書類などにかかる手間の面でもおすすめしません。

もし気になる物件情報を見つけたのであれば、近隣の不動産屋に売却や譲渡の情報が持ちこまれていないかを尋ねてみましょう。前店の業種など、物件の詳細も知ることができるかもしれません。

出店を希望する地域を歩き回ることは、立地調査においては非常に有効な手段です。しかし、物件探しでは、居抜き専門の業者や不動産会社をうまく活用することがやはり重要になってきます。

居抜き物件は特に、前店が「なぜ」閉店したのかを慎重に見きわめる必要があります。その点からも、飛びこみに近い物件探しはあまりおすすめできません。

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