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3つの利益(売上総利益、営業利益、経常利益)を考える

飲食店を開業する際は、開業前にまず目標とする利益を決めて、それを確保するための売上を設定し、固定費を調整していくことが大切です。

はじめて飲食店を開業する人の多くは、開業後半年や1年の売上が出てから、それまでの利益を計算しようとします。しかし、それでは目標とする売上や、削減できる固定費を把握することはできません。

特に現金収入のある飲食店の場合、売上があることに安心し、実際の利益がどれくらい出ているかがわかりにくいという問題があります。

利益の考え方

売上があっても経費が高く、計算してみると思ったほど利益がないという飲食店は少なくありません。

開業前から最低限の利益がどれくらい必要かを計算し、後から慌てることにならないようにしっかりと準備しましょう。

お店にとって重要な利益の計算方法

「確実に利益を確保する」という意識を持つために、一度は利益を基準に考えてみましょう。

利益 = 売上 - 経費

飲食店では、売上に対してこの利益が10%以上になることをめざします。

ここでいう利益とは「経常利益」のことですが、一口に利益といっても、いくつかの種類があります。

ここからは利益の種類も含めて、詳しく見ていきましょう。

・売上総利益(粗利)
売上総利益 =売上 - 売上原価

売上総利益とは、粗利とも呼ばれる利益です。
売上の中から、食材費やテイクアウトの容器代などといった、原材料の仕入れ代(売上原価)を差し引いて計算します。

・営業利益
営業利益=売上総利益 – 経費(原材料費以外)

営業利益は、1会計期間(通常1年間)における営業成績を表した「損益計算書」に記載される利益の中で、最も重視される項目です。

材料を仕入れて商品にして売る、というお店の本業によって稼いだ利益とみなされます。

・経常利益
経常利益 = 営業利益 + 営業外損益

営業外損益とは、金融機関から受けた融資に対する利息の支払いなど、お店が提供するサービスに関係しないところで発生する収益や費用のことです。

本業によって得た営業利益に、本業以外のところで得る収益あるいは損失である営業外損益を加味したものが、経常利益となります。当然ながら損失が大きい場合はマイナスとなります。

経常利益は、「毎期くり返す事業活動の結果の利益」として、営業利益の次に重視されます。

個人事業の場合、この経常利益をもとに自分と家族が生活をしていけるかを検討します。ここから事業税や所得税、住民税、保険などが引かれることも考慮しなければなりません。

突発的に建物や設備の修理などが発生すれば、さらに減額されます。

これまでサラリーマンをしてきた人は、家族がいる人であれば特に、最低限必要な生活費ははっきりしているはずです。


参考までに、席数15席程度の小規模店を想定した、以下のシミュレーションをみてください。

立地:乗客数の多い駅前周辺にあるビルの2F
家賃:14万円
業態:バル(スペイン風居酒屋)
営業時間:16時~22時30分(ラストオーダー)
客席数:15席
平均客数:25人
客単価:3500円
営業日数:25日 / 月
従業員:アルバイト1~2人(時給900円、1日7時間、1日につき1人)
借入金:700万円 
返済期間:6年

売上高①:1,400,000円
売上原価②:420,000円
売上総利益(粗利)③=①-②:980,000 円
経費④:617,500円
営業利益⑤=③-④:362,500円
営業外損益⑥:100,000円(借入金の返済)
経常利益⑦=⑤-⑥:262,500円

この規模では1ヶ月に140万円の売上があっても、税引き前に手元に残る金額は26万円程度であることがわかります。

お店を維持するために必要な「経常利益は売上高に対して10%以上」という目標は達成できているものの、家族がいれば余裕のある生活ができる金額であるとは言えません。

このことから、確実に利益を手元に残すためには、様々な部分での努力が必要になります。

提供するサービスに見合った大きさの店舗を構え、最大限の売上が出せる環境を整えておくこと、家賃や設備費など、売上に関係なく毎月決まった支出となる固定費は、最初からできるだけ抑えておくこと、材料仕入費や人件費などをはじめとする変動費は、可能な限り削減することなどです。

お客さんが入り、それなりに売上があれば、レジには現金が残ります。しかし、それには支払わなければならない経費や税金が含まれていることを忘れてはいけません。

お客さんを飽きさせないサービスを続けて行くには、十分に体を休め、他店の料理を勉強したり、見聞を広める経済的余裕も必要です。

売上予測を計算する際には、長い目で見て、経営を続けていくにはどのくらいの利益が必要なのかということも考えておくことが大切です。

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