居抜き物件の基礎から選び方までを丁寧に解説
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居抜き物件の造作譲渡料の相場は?

「良い物件だから早い者勝ちと言われたが、価格は適切なのか?」
「設備は古いのに、高値のまま値下げに応じない」


内装にも設備にも使用したあとの残る居抜き物件は、相場がわかりにくく、相手が提示した値段や条件が妥当なのかを確かめるのが困難です。

ここでは、居抜き物件の相場は何を基準に決められるのか、詳しく説明します。

居抜き物件の相場はどのように決まるのか?

居抜き物件を契約する際、前オーナーが次のオーナーに内装や設備を、有償あるいは無償で譲ることを「造作譲渡」と言い、有償で譲る場合の譲渡金額を「造作譲渡料」と呼びます。

居抜き物件の相場

前オーナーは、不要になる設備や備品を処分する代わりに、無償で引き取ってもらったり、新しいものであれば売却して現金を手にすることができます。

一方で、次のオーナーは設備や備品にかかる初期費用を節約できるので、双方にメリットがあります。

造作譲渡料は、本来は「造作を譲渡する対価」として発生するもので、飲食店であれば、業務用冷蔵庫などの高価な厨房機器がメインになります。耐用年数と使用年数をもとに価値を算出することもできますが、お店によって使用状況が異なるため、より正確な価値を調べるには厨房機器を専門に扱う業者に査定してもらう必要があります。

しかし、現実は、造作譲渡料は「造作を譲渡する対価」としてではなく、店舗の「立地の良し悪し」で決められている側面が強いです。立地こそが、居抜き物件の相場を形成する大きな要素なのです。

造作譲渡料は造作ではなく、立地で決まる

なぜなら、店舗の売上は立地に大きく左右されるからです。

人気店の2号店であるとか、有名シェフの出店といった話題性がない限り、知名度のない個人店が立地条件の悪い場所で成功することは困難です。

そのため、「ここなら稼げる」と判断された場所では、何年も空き物件を待っている人がいることも珍しくありません。立地条件さえ良ければ、今後長く使用できることが期待できない造作であっても、物件を手に入れるために高い譲渡料を提示する人がいます。そうなると、造作譲渡料の値下げ交渉も難しくなります。

造作に価値があるかどうかというよりは、造作譲渡料を含めた物件の取得費に対して、納得できる売上が期待できる立地かどうかという見方をする必要があるわけです。

逆に、立地をある程度譲歩できるのであれば、造作譲渡料は安くなりますし、値下げ交渉にも応じてもらいやすくなります。

なお、値下げ交渉をする場合は、交渉に応じてもらいやすいタイミングがあることを知っておきましょう。

値下げ交渉に応じてもらいやすいタイミング

店舗の賃貸契約では、解約時には借りた時の状態に戻す原状回復が基本となっています。また、通常賃貸契約の解約は3~6ヶ月前に通知することが契約の際に決められています。

そこで、貸主に居抜きで退去することへの了承が得られた場合、前オーナーは通知から解約までに新しい借主を探すことになります。

中には新しい借主が見つかってから閉店というケースもありますが、居抜きで新しい借主を探している前オーナーのほとんどが、解約までの期限付きで譲渡先を探しています。

そのため、最初に提示していた金額で売れない場合は、解約が近づくにつれ造作譲渡料が安くなる傾向にあります。原状回復するのに工事費用がかかることを考えれば、少しでもいいのでお金をもらって譲渡したいというのがオーナーの本音だからです。

他に交渉している人がいないようであれば、居抜き物件を仲介する業者に現在の賃貸契約の契約期間を聞き、契約終了日が近くなってきた段階で値下げ交渉をするのが有効な方法です。

賃貸契約の原状回復義務について確認する

あまり言及されることはありませんが、目にみえる「造作譲渡料」だけではなく「原状回復費用」の有無についてもあらかじめ把握しておく必要があります。

居抜き物件を契約する際、前オーナーとの造作譲渡の契約は貸主との賃貸契約とは別ものです。居抜きで引き継いだ物件でも、貸主との賃貸契約では、現在の借主が責任を負うべき項目があります。中でも重要なのが、原状回復についてです。

店舗の賃貸契約では、通常ほとんど全ての契約に、「解約時はスケルトンの状態に戻して貸主に返すこと」という、原状回復の義務が記載されています。これは居抜きで契約した場合も同様で、前オーナーの残した内装や設備も、現在の借主が撤去する責任を負います。

解約時にうまく次の人に居抜きで譲ることができればよいですが、借主が見つからない、あるいは貸主や新しい借主にスケルトンに戻すことを求められた場合は、撤去や処分にかかる費用を負担しなければなりません。

「原状回復」を借りた時の状態と思い込み、スケルトンを要求されてトラブルになるケースもあります。契約内容に原状回復が含まれているのであれば、何をもって原状回復とするのかを貸主と認識をすり合わせておくことが必要です。

退去時の原状回復についてまで気が回る人はなかなかいませんが、契約の内容次第では先々多額の工事費用が発生することになります。いま目の前にある「造作譲渡料」だけを見るのではなく、将来の原状回復費用についても勘案するようにしましょう。

以上をまとめると、居抜きのメリットとして、設備や機器が割安で手に入ることがよく強調されていますが、店舗の価値はあくまで立地にあります。造作譲渡は目先の費用の安さにとらわれず、開店後の売上予測を立て、物件全体としての価値はどれほどのものかを計算した上で進めましょう。その際には最後に説明した原状回復についても忘れないようにしましょう。

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