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【立地調査vol.1】人の流れを確認する

出店する地域が決まり、その地域に良さそうな物件がいくつか見つかったら、次は実際に自分の目で見て確かめる段階です。

魅力を感じた場所が、自分のお店に合っているのか?
どのような点に注目して見きわめればよいのでしょうか。

ここでは、立地選びにおいて最も大切な「人の流れ」について説明します。

人の流れ

街の特徴を、数字のデータで把握する

実際に出店する地域がしぼれたら、まずはその街のデータを集めてみることをおすすめします。その街にはどういった人が、どれくらい住んでいるのかを、あらかじめ知っておくと、人の流れも把握しやすくなります。

政府統計の総合窓口であるe-Stat(イースタット)では、人口・世帯数、一世帯あたりの人数・年齢層、人口の増減・昼と夜の人口などのデータを、簡単に調べることができます。

これから出店する街が自分のお店のコンセプトに合っているか、まずはこのデータをもとに確認してみましょう。

立地を検討する初めの段階で、細かな数字を見ても、実感はつかめないかもしれません。

しかしこういったデータは、のちのち、メニューを決める時や、広告を作成する時にも役立ちます。気がついたことがあれば記入しながら、資料として残しておきましょう。

人の流れの特徴をつかむ

出店する地域をしぼり、どういった特徴なのかをおおまかに把握できたら、現地に足を運んで、人の流れを確認します。

確認しておきたいのは以下の3点です。

1. そもそも人通りはあるのか?
どんなお店かを説明するとき、「隠れ家風」という言葉が使われることがあります。人通りの少ない、路地裏にある、知る人ぞ知る名店、といったニュアンスです。

お客さまには常連客が多く、客単価は高め。静かな場所にある落ち着いた店内で、ゆったりとお酒や食事を楽しむという、飲食店にとってはやりがいを感じられるお店です。

しかし、隠れ家風のお店を目指すには、別の場所ですでに成功して知名度のあるお店や、有名なシェフがいるお店といった、飛びぬけた集客力が必要です。これから実績を作ろうとしている新しいお店が、簡単に目指せるものではありません。

また、駅前や大型商業施設のすぐそばといった、集客力のありそうな立地にも落とし穴があります。

たとえば、出店を予定していた駅の出口周辺は、反対側の出口とちがって、住宅地しかなかった、というような場合です。

大型商業施設周辺に出店する場合、お店はメインの出入り口から見える場所にあるのに、人通りがあるのは駅に続く地下通路や、繁華街にアクセスのよい裏口だったというケースもあります。

立地を確認しに出かける際は、出店を予定する場所の周辺に、人通りがあるかどうか、まず最初に確認しましょう。当たり前のように思えて、自分の目で確認する手間を省こうすると、こういった点を見落とすことがあります。

2. どういった人が多いのか?
人通りのある場所を見つけられたら、お店の前を行き交う人は、どういった人が多いかに注目してみましょう。

・男性と女性では、どちらが多い?
・年齢層はどれくらい?
・サラリーマンが多いか?それとも学生か?
・時間帯ごとの人通りはどうか?

これらのことから、店の前を通過する人があなたのお店のコンセプトに合うのか、来店してくれる可能性があるのか、ということがみえてきます。

この段階で細かい部分まで調べておかないと、出店後にいきなり行き詰まる可能性があります。

たとえば、仕事帰りのサラリーマンが多かったという理由だけで、1人で入って食事をするような、定食屋を始めてしまうようなケースです。

男性でも、独身の多い20代や、子どもが巣立った50代以上が多いのであれば、1人向けの定食屋で食事をする可能性はあります。

しかし、家族がいる30代や40代では、家族との時間を大切にするため、あるいは、経済的負担の大きな時期の外食は控えるといった理由で、夕方や夜に1人で食事をする人は多くありません。

最低限、上に記載した、性別、年齢層、職種、時間帯別の交通量などについて調査し、あなたのお店のターゲットとなる人がいるのか、確認することが大切です。

3. どういう流れで動いているのか?
お店の前を行き交う人の多くは、なんらかの目的を持って歩いています。たとえ、ウィンドウショッピングや、デートでブラブラ歩いていたとしても、人が集まる駅や大型施設から、大きく離れた道を歩いている人は多くありません。

そこで、出店を予定している場所の周辺には、どのような集客施設があるのかを調べておきましょう。人の流れは、必ずそういった集客施設の間で多くなるからです。

例えば、
・駅から出た人は、その街ではどこへ向かうのでしょうか?
・駅前のショッピングセンターでしょうか?
・周辺にある住宅地でしょうか?

ショッピングセンターから出た人はどうでしょう。
・飲食店が集まる通りを目指していますか?
・それとも映画館などの、別の集客施設へ向かっていますか?
・時間帯による違いはありますか?

このように、どこからどこへ向かって歩いているのか、その目的は何なのか、ということを把握しなければなりません。

集客施設と集客施設の間には、必ず人通りがあるので、そこにお店を出すことができれば、集客にかかるコストや手間が、大幅に削減できます。しかし、そこを歩いている人にお客さんになってもらうには、歩いている目的も、想定しておく必要があります。

人は遊ぶことが目的で出かけている時に、よくお金を使う傾向があることがわかっています。

同じ集客施設とは言っても、食料品を買うスーパーや、生活にかかわりの深いホームセンターなどの間にある飲食店よりは、映画館やレンタルビデオ店、大型の本屋といった、レジャー要素のある集客施設の間にある飲食店の方が集客力があるのです。

次の目的地を目指して、歩くことに集中している人より、周辺で楽しむことを目的として、ブラブラ歩いている人の方が、飲食店に気がつき、利用する可能性は高くなります。

お客さんはそこを歩いている時、どういったお店なら利用しやすいと感じるのでしょうか。

人の流れやお客さんの特徴から、何が求められているのかを考えてみましょう。細かいデータをまとめてみると、はっきりした情報が浮かび上がってくるはずです。

出店する立地周辺の人通りは、集客に大きな影響を与えます。単に人通りが多いか少ないかだけでなく、そこを通る人が、自分のお店のコンセプトに合っているかどうか、慎重に判断することが大切です。

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