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店舗の内装見積書と図面を比較・検討する

内装工事費は、初期費用の半分程度を占める大きな費用です。物件と同様に一度決めて工事が施工されれば、後から変更することが非常に難しい項目でもあります。

そのため、見積書は細部まで入念に確認することが大切ですが、内装工事の見積書は専門用語が多く、素人には難解なものです。

店舗の内装見積書と図面を比較・検討する

しかし、このチェックをおざなりにすれば、後から取り返しのつかないミスや不利益が発生することもあるのです。

ここでは内装見積もりはどのように取るのか、どういった点に気をつけて検討すればよいのかを説明します。

必ず相見積もりを取る

相見積もりとは、複数の業者から見積もりを取ることです。

業者を知人や友人から紹介してもらい、相見積もりを取ることがはばかられるなどの場合以外は、必ず相見積もりを取りましょう。

手間や時間はかかりますが、3~5社で相見積もりを取れば、自分のお店にとって必要な工事や設備が見えてきます。

見積もりを取る際は、依頼する業者に相見積もりを取っていることを伝えておきます。

中には見積もりに料金が発生する業者もあるかもしれませんが、実績に魅力を感じているのであれば、数万円程度の出費は必要経費として考えましょう。

相見積もりを取るメリットには、
・どのくらい詳細を盛り込んだ見積もりを作成してくれるかで、業者の仕事ぶりがわかる
・抜けている項目と過分な項目を比較することで、必要な工事と不要な工事をみきわめることができる
といったことが挙げられます。

見積書の中で「○○一式」などのようなおおまかな記載が多い業者は、発注者が気がつかないうちに安い資材を使用したり、後から追加工事が発生するなどのトラブルが多い傾向にあります。

業者間の料金の比較だけでなく、業者が出す見積額と自分の認識に大きなズレがある場合は、開業のための費用に対する考え方が甘い、あるいは厳しすぎる可能性があることにも目を向けなければなりません。

見積書・表紙の確認項目

見積書には、表紙にも確認が必要な項目があります。

特に注意しなければならないのは、「見積書の有効期限」と「消費税」です。

材料費や人件費は時期によって違いが生じるため、見積書には有効期限があります。記載された有効期限をすぎた後に契約する場合は、金額が変わってくる可能性があるので、再度見積書を作成しなければなりません。

また、工事費に消費税が含まれるかどうかも確認しておきましょう。消費税とはいえ、一般的に内装費用は100万円単位の出費です。消費税が含まれるか否かによって、初期費用には大きな影響があります。

内訳明細書の確認項目

見積書は、図面と価格を比較しながらコストを削減できる項目はないか、売上を作りやすい状態ができているかを検討します。

・人件費を抑えることができるか
人件費を抑えるためには、見通しと動線のよい設計になっているかに注目します。

従業員が店内をよく見渡せる設計になっていれば、必要なサービスに気がつきやすく、作業効率が上がります。既定の就業時間内に仕事が完了すれば、残業を減らせるなど、人件費の削減につながります。

また、スタッフとお客さまの動線が交差することのない設計になっていれば、少ない人数でも効率よくサービスを提供することができます。

・水道光熱費を抑えることができるか
この点を確実にするためには、まず内装業者に物件の内見に同行してもらうことが大切です。水道光熱費の削減以前に、契約する物件に必要な設備が整っていないために改修工事が必要になり、多額の初期費用が発生するケースは少なくありません。

改修工事が必要になるかどうかは専門知識が必要なので、内装業者に確認してもらうのが最善の方法です。

その上でまず確認したいのは、冷暖房のききやすさです。冷暖房費を抑えるには、夏の日ざしや冬の冷気を遮るため、断熱効果のある資材が使用されているかどうかを確認します。窓の大きさやガラスの多重構造、壁に使用されている素材や加工方法などがポイントになります。

スケルトンの物件に内装を施すには費用がかかるため、最近は、あえて打ちっぱなしのコンクリートをそのまま壁としてインテリアの一部にする飲食店も増えています。

こういった内装は初期費用を減らせるものの断熱効果が少なく、冷暖房費に費用がかかることが多いので注意が必要です。

また、コンクリートに直接塗装する場合は、解約の際にスケルトン状態に戻すための費用が大きな負担にならないかを調べておかなければなりません。

次に、店内の空気がどのように流れるかを確認しましょう。

夏場は厨房の熱気がそのまま客席に流れ込んでしまうと、客席の居心地が悪くなります。ドアから直接冷気が流れ込むような構造になっていれば、冬場の寒さが懸念されます。

どちらの場合も、店内を快適にするためには冷暖房費が高くなるので、内装の段階で改善できるポイントがないか、お客さま目線で確かめます。

・売上が上がりやすい状態になっているか
内装はコストを削減するだけでなく、将来的に売り上げを上げやすい構造になっているかを確認しましょう。

集客力がどんなに上がっても、お店に十分お客さまが入れるように設計されていなければ、せっかくのチャンスを逃してしまうことになります。

売上はおおまかに、「売上=客単価×客数」と計算されます。そこで、客席を効率よく利用できるように設計されているかという点に注目します。

客席はできるだけ増やしておくのが理想ですが、どんな業態であっても、狭すぎる客席はお客さまの居心地を悪くさせ、客離れの原因となります。

一般的に客単価が高くなるほど客席には広さが必要とされており、高級店になるほど客席数は増やすことができません。

そのため、厨房のスペースは必要最低限な広さを確保するにとどめ、客席スペースに十分な広さが取れているかを確認する必要があります。

また、一度に大きな利益を上げることができる宴会やパーティーに対応できるかにも注目しましょう。

1~2人の少人数のお客さまでも利用しやすいように、カウンターに十分な広さがあることも大切です。 横のお客さまや通路との間隔が狭すぎたり、厨房との距離が近すぎると居心地が悪くなり、「死に席」となってしまう可能性もあります。

トイレが利用しやすい構造になっているかという点も、確認しましょう。客席から入り口が丸見えになってしまうような、落ちつかないトイレは女性客に敬遠されやすく、リピーターが増えにくくなります。

費用を削減すればよいというものではない

費用は厳しい視線で削減していく必要がありますが、やみくもに安さばかりを追求すれば、サービスの質を落としたり、お店の居心地や運営効率を悪くする原因となります。

内装業者を選ぶ際には、必要な機能はそのままに、代替できる資材やアイディアによってコストを下げるVE(バリューエンジニアリング)案を積極的に提案してくれる業者を重視しましょう。

見積書と図面を照らし合わせることができたら、契約までには
・追加工事が発生する可能性と追加工事の請求額、
・完成日が遅れた場合の対応
について、確認しておきましょう。

追加工事によって想定外の初期費用が増えることは避けなければなりませんし、引き渡し日が遅れた場合は開店日がのび、カラ家賃が発生する期間が長くなります。

契約の際には責任の所在を明確にし、補償の内容を確認しておくことが大切です。

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